経営学は戦略形成・策定の方法を教えてくれるのか

最終更新: 9月1日


MBAなどで学ぶ経営学。

ケーススタディを通じて、フレームワークや理論を学んでいきますよね。SWOT分析や3C分析、5F、PEST、VC分析等、企業研修や書籍を通じて見たこと、聞いたことあるのではないでしょうか。学んだときは「なるほど!」と思いますが、いざ現実に戻ると使いにくい。それどころか、全く使えないこともあります。


では実際問題、本当に使えないんでしょうか。


書籍『戦略サファリ』に一つの解がありました。



いきなりの結論

まず結論から述べます。

経営学で戦略形成の全体像を把握することはできない。


これが本書の結論です。


戦略形成にかかわる経営学の流派

経営学で学ぶことを10の流派に切り分け、それぞれの特徴と限界を本書では説明しています。それをさらにまとめたのがこちらです。

実務上では置かれた状況、文脈があまりにも多岐に渡ります。そのためこの多様性を包括した理論自体が抽象的になりすぎるのです。例えば経営学では、「環境に適応する」の「環境」が何を指すのかを明文化できません。(具体例はケースのなかでいくつか出すことができますが...。)

また初期の経営学においては戦略策定に対して正解を求めた流派がたくさんあります。外的要因、内的要因を特定の形式的なプロセスで調理することで一義的に戦略が決まる、ということです。結果、「実は世の中の大半を占める、(経営学にとっては)特殊なやり方でなんか上手くいってる企業」をスルーすることになり、現実や実務とかけ離れました。

以上により、「具体的で戦略的な選択肢を生む体系的な方法論」ではなく、「実施した戦略の分析」が経営学のメインとなりかけています。


残された疑問

その証拠に、本書では下記の点がまだ明らかになっていないと述べています。

1)戦略とはどの程度複雑で、どの程度シンプルである必要があるのか

2)各スクールはどのタイミングでどの程度統合するべきか

3)戦略はどの程度ユニークでどの程度包括的な基本セットがあるのか

4)戦略形成はどの程度意図的で、どの程度創発的であるべきか

5)戦略家とは個人なのか組織なのか

6)変化と安定をどの程度調和させるか

7)戦略的な選択とはどの程度存在するのか

8)思考と行動をどう組み合わせるのが一番適切か

まさに、具体的かつ戦略的にどうするべきかに答えられる流派・理論が無いことを示しています。


とはいえ、経営学を学ぶことに意味がないとは言っていません。知ることで、今までより明確に戦略形成・策定の全体像が見えるようになります。また成否の分析にはもってこいな理論やツールがたくさんあります。フレームワークは仮説段階で思考の抜け漏れを無くすのに役立ちます。大事なことは、これらの考え方の枠組みを超えて考えることです。



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