行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論

最終更新: 9月1日





















≪著者≫

舞田 竜宣

杉山 尚子

≪問い≫

どうすれば人の行動を変えられるか

≪概要≫

行動分析学では、行動の原因を見つける。部下が期待通りの仕事をしないとき、その原因はどこにあると考えるだろうか。“やる気がない”など、行動を心や精神で説明することを医学モデルといい、基本は問題が解決しない。結局個人攻撃になり、その人のレッテルを貼るだけで終わってしまう。

行動分析学として考える行動の原因、それは行動直後の結果だ。“60秒ルール”と呼び、行動してから60秒以内に起きない結果はその行動を動機づけるような直接の原因になりえない。すなわち自己実現や給与、昇進は直接の動機にならないのである。

1. 行動分析学の考え方

行動分析学の考え方は、ポジティブな言動がポジティブな意識を作る、です。人が自分の望むことをしてくれないとき、なぜできないのかには3つのレベルがある。

1)やり方を知らない、やる意義を感じられない

2)頭では分かっているが、技能が伴わない

3)頭ではわかっているし、できるのにやらない

前半二つに関しては、適切な指示出しや指導、練習などで解決できますが、問題は3番目です。

行動分析学で基本的な行動改善の考え方として“行動随伴性”と言われるものがある。

発言直後に応答すると発言の回数が増え、相手の行動回数や強度が増える。例えば、相手の発言直後に「なるほど」「確かに」などのポジティブな反応を返すことが該当する。これにより相手の行動が「ない」から「ある」に変化する。例えば笑顔が無かったが笑顔があるに変わる、ということだ。これを出現の変化という。この出現の変化を促すような発言直後の行動や出来事を“好子”と呼ぶ。この“好子”を相手の行動の直後に出現させると、相手の行動は増加するのである。

ちなみに褒めるとは、行動を褒めることである。褒めることを好子として使い、相手の行動を強化していく。褒める際に重要なことは、

1)どの行動を褒めるか明確に、具体的にする

2)褒める際は相手が行動した60秒以内に褒める

を心がけよう。

2. 四つの随伴性

上述したような好子出現の強化のほかに、好子消失の弱化、嫌子出現の弱化、嫌子消失の強化という随伴性に分類される。簡単に説明すると、好ましい反応があれば強化され、無くなれば弱化する。嫌な反応があれば弱化され、なくなれば強化する、ということである。例えば相手がネガティブなことを言い始めたら、笑顔を消しこれまでの好子を消失させると、相手のネガティブな言動は弱化される。

この分類プロセスは下記のとおりである。

1)行動は“強化”されているか“弱化”されているか

2)直前から直後の変化は“出現”か、“消失”か判断する

3)出現もしくは消失したものが“好子”か“嫌子”か判断する

これにより現在繰り返しされる行動、逆にしなくなった行動が、どのような随伴性に制御されているか明らかになり、対処の方法が見えてくる。行動は随伴性で制御されているのだから、行動を変えるには随伴性を変えれば良い、という発想が生まれるのだ。

ちなみに嫌子を使う行動制御は多くの問題があると言われ続けている。

1)嫌子出現を繰り返すと相手が慣れてしまい、さらに強い嫌子を出現させてしまうことでエスカレートしていく

2)嫌子を与える人間を避けるようになり、良好な人間関係の構築ができなくなる

3)問題行動だけでなく新しい学習などの活動性が消失する

4)問題行動はしなくなるが、望ましい行動の強化ができていない

5)嫌子による行動制御は一時的な効果しかない

嫌子を使う理由、それは嫌子出現によって相手の行動が消失され(笑顔が無くなる等)、それが嫌子を使った側の行動を強化しているのである。

3. 好子マンネリの回避

嫌子と同様、好子もそのタイミングや状況によって効果が異なってくる。好子も与え続けると効果は薄くなってくる。そこでこの好子の効力を変えるような出来事を確立操作と呼ぶ。

1)遮断化

└特定の好子を一定期間遮断し、相手を餓えた状態にする

2)飽和化

└好子を飽和させ、望ましくない行動を制御する

3)締切の設定

└締切による不安喚起によって嫌子を確立させ、行動を制御する

4)目標設定

└行動に先立って行う目標設定には先行刺激が、インセンティブが伴う場合は弁別刺激が強化され好子の効果が上がる

5)トップマネジメントによる変革の支持

└トップマネジメントが新しい取り組みをいかに評価しているかをあらゆる手段を通して伝えることが弱化随伴性の力を弱め、強化随伴性の力を強める

≪こんな人におすすめ≫

・経営者

・リーダー

≪併せて読みたい書籍≫

・人を動かす

・影響力の武器


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