藁を手に旅に出よう “伝説の人事部長”による「働き方」の教室




















≪著者≫

荒木 博行


≪問い≫

キャリアをどのように形成していくか


≪概要≫

仕事上の一つひとつの経験は1個の星のようなもの。でも大事なのは、星がある程度溜まってきたら、自分で『これは何座だ』と言い切ってしまうことなんです。大事なのはそのランダムのような点の集合体が自分にとって何が見えるかなんです。

無理矢理でも良いから、形が見えてきたら次はその形が正しくみえるように、足りないところに意図的に星を置いていけばいい。


1. 抽象度の高いルールの中で生きる

私たちは小さい頃から勝つことを義務付けられてきた。決められた一つの尺度で、他人よりも秀でること。このような他人が決めた単一の尺度で上位に入ることが偉いとされるゲームに違和感を持たない人を「偏差値教信者」と呼ぶ。偏差値教の人は他人を記号で判断する。年収、役職、企業規模。このような記号からじゃないと他人を判断できなくなるんです。

ただこの偏差値教の考え方では人生の長いマラソンを戦い抜けない人も多い。『つらいけど頑張る』というメンタリティは、短期間しか続かない。だから人が決めたルールから一旦離れて、自分で決めたルールで楽しみながら進んでいかなきゃダメなんです。

世の中にあるわかりやすい記号的な報酬は、多様な価値観を追求した結果についてくるオマケのようなものなの。その多様な価値観の前提を理解せずして、欲張り爺さんみたいにその行為だけを真似ようとしても、手に入れられないことってたくさんあるんですね…。


2. 自分の人生の当事者になる覚悟

世の中には誰にとっても欠点のない制度はないってこと。その中で環境に何らかの欠点があるとすぐに断片的な事実を挙げて不満を声高に叫んでしまう人がいます。私はそういう人のことを『野党思考』と呼んでいます。野党は当事者であるという認識がない人で、こういう人はいくらでも正論を言えてしまうんです。

でも、そういう人がいざ与党、当事者になると、気付くんです。世の中結構難しいんだって。部分的に見えても、多くの仕組みはシステム的な連携をしているので『こっちを直せばあっちにも問題が発生してしまう』みたいなことが発生する。実際与党側に立つと、理想的と言われている組織でも『ポジティブ51』『ネガティブ49』くらいの微妙なバランスで成り立っていると気づく。どんな素晴らしい制度でも突っ込みどころ満載だし、プラス面とマイナス面は拮抗してる。そうした状況だからこそ、与党の立場の人には批判を乗り越えてでも成し遂げたい『世界観』が必要だということ。

ちなみに野党は与党の批判に疲れて、外側の青い鳥を追い求めてしまう。つまり『自分は正しいことを言っているはずだ。理解してくれないのはおかしい。』という義憤に駆られて、突発的に理想郷を追い求めて動いてしまうんですね。でも結局はどの世界でも野党的な批判を繰り返してしまい現実逃避に入る。結局『野党思考』から抜け出し、当事者側に回らないとこのパターンからは抜け出せないのです。


3. 答えの出ない状態を抱え続ける力

『ネガティブ・ケイパビリティ』すなわち、『答えの出ない状態を抱え続ける力』を持たず、『ポジティブ・ケイパビリティ』、『問題解決力のような力』しか持たない人は、すぐに答えを出すべきでない深くて複雑な問題に対しても、すぐに答えを出してしまうんです。スッキリしたくてね。拙速に答えを出して、その時は気持ち良かったんだけど、後で取り返しのつかないことになってことって、ない?もちろん答えを待つだけでは受け身すぎます。でも答えを出しに行くことと、答えが出ることにはタイムラグが生じるってことですね。

キャリアの問いに答えるには、自分が働いている目的を見つける必要がある。その目的以外のことはすべて手段でしかありません。しかしさらに上位の目的を見つけたとき、これまで目的だったものも手段になります。つまり、目的というのは永遠に見つかり続け、だからこそ答えを無理やり出そうとする必要がないのです。


≪こんな人におすすめ≫

・新入社員

・中堅社員 

・今の職場に不満を持っている人


≪併せて読みたい書籍≫


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