経営戦略の経済学

最終更新: 9月1日





















≪著者≫

淺羽 茂

≪問い≫

経済理論が経営学にどう活かされているか

≪概要≫

経営学と経済学とでは、いくつか異なる特徴を有している。経営学は、いかにすれば企業がその業績を向上させられるのかを明らかにしようとしているのに対し、経済学は各主体の行動が市場原理に委ねられた場合の帰結はどうなるのか、その帰結よりも資源配分の効率性や社会的そう余剰が高まるような方法があるかを探る。それゆえ、経営学では個々の企業間の際が注目されるのに対し、経済学ではその差異にはあまり注意が払われない。

1. 事業の多角化

財務データ上、優れた成果を出している企業の78%が主導的地位にある単一のコア事業を持っていることが判明した。事業を多角化するよりも1つの事業に資源を集中する方が企業が持続的成長を遂げるためには重要であるように見える。しかしコア事業だけでは永久に成長することはできないので、集中or多角化という二者択一の議論をせず、多角化も必須であると考えた方が良い。むしろ重要なことは、経験、知識、システムといった自社のコアコンピタンスを共有する事業を生み出していくことである。

2. 競争の基本戦略

消費者の知覚される便益は品質に応じて決まり、その便益から価格を引いた残りが消費者余剰である。ある製品は高価格だが便益の増加がそれを補ってあまりあるほど大きいので消費余剰を生むことができる。これに対抗して、別の企業は値下げと品質を抑えて同じ消費者余剰をうみだすかもしれない。このようなコストリーダーと差別化の戦いのほかにも、特定のセグメントに集中することで逆に規模の経済を実現する集中戦略もある。

企業はどのようにして価値を生み出し競争優位を確立するか、市場のどのような範囲に対して事業を展開するのかを決定しなければならない。

3. RBVと経済学

伝統的なミクロ経済理論では、企業は需要・供給条件の下で、利潤を最も大きくするような供給量を決定するだけの存在である。その中で起業を多数の個人の行動を調整する管理機構と生産資源の束として捉え始めた。その生産資源は企業ごとに異質であり、かつ企業者能力、経営能力といった資源には制約があるため、成長の程度や方向性が企業間で異なると主張した。

もし企業間に効率性の面で差異があれば、効率の劣る企業が超過利潤を上げられない場合でも、より効率的な企業は超過利潤を獲得することができる。その差異は、何らかの優れた生産要素の有無に起因しているとしよう。この生産要素がすぐに増やせないものだとしたら、企業は劣った生産要素を持ったまま市場に参入しなければならず、優れた生産要素をもった企業だけが超過利潤を得られる状況になる。この超過利潤は、当該企業が参入を阻止し、供給量を制限することによって獲得する独占利潤ではなく、供給が限定されている生産要素から生ずるレントなのである。

≪こんな人におすすめ≫

・経営者

≪併せて読みたい書籍≫

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