社長という病
最終更新: 2020年9月29日

≪著者≫
富樫康明
≪問い≫
どうすれば経営者は苦しみから脱却できるか
≪概要≫
起業したときは自分だけの責任を負えばいい一人社長だったのですが、仕事量が増えるたびに社員も増え続けました。夢や理想、体力があり、迷いや不安はありませんでした。
しかし会社を大きくしてからの私は事業を何のために行い、なにを求めていたのでしょう。私は「社長という病」の重症患者でした。
多くの社員はその不安を知らずに働いています。毎月予定通りに給料が出るわけですから、安心して働いてくれます。しかし、私の頭の中は常にお金のことだけでした。もし会社がつぶれたら、もし売上が無くなったら。会社が大きくなるにつれ、そんな不安ばかりを抱えて仕事をするようになりました。
1. 社長という病とは何か
社長になると孤独です。売上、倒産、体調等、自らが作り出す恐怖心のような目に見えない重圧がかかります。これが病の原因になるのです。この不安が常に続くと、物事に消極的になり、なんでも否定するようになります。社員にも家族にも不安な様子を見せたり、泣き言を言ったりできず、一人で抱えて孤立していきます。
一方、否定され続けた社員は社長に何か言うことを諦め、社長を否定し始めます。そして良い情報だけが報告され、悪い情報は上に伝わらなくなるのです。
2. 病の処方箋
目的の無い売上追及主義、利益拡大主義を止めることです。なぜその事業を拡大するのか、目的がないとお金に追われる経営人生になってしまいます。小さくとも楽しい会社経営もある、今の売り上げで生き残れる体制を整える、等の方向性もあるということです。
また現場社員の意見を聞く、ということも有効な処方箋です。問題は現場にあり、現場の方が人を良く見ていることが多い。否定せず、聞き入れることできちんとした意見を現場は述べてくれます。
3. 本当の社長の仕事
給料、家賃、仕入れ、返済。会社経営の目的は利益を得ることです。会社の売上からこれらの支払いが引かれ、利益やキャッシュになりますから、実は社長個人のお金ではありません。ましてや社員のお金でもありません。会社のお金なのです。
社長の仕事はマネージャーです。マネージャーの役割は、選手の健康管理、コンディション作り、メンタルケア、掃除などです。社長の代わりに働いてくれたスターたちの環境をしっかりと作ること、それが社長の仕事です。それに加えて経営判断です。自発的にでた社員たちの意見に耳を傾け、最終責任・最終判断を下すのです。とはいえ、このジャッジの仕方を社員全員が理解すれば、会社は怖いモノ無しになります。
≪こんな人におすすめ≫
・経営者
・後継者
・事業責任者
≪併せて読みたい書籍≫
・社長の条件
・社長の基本
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