申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。





















≪著者≫

カレン・フェラン

≪問い≫

コンサルタントの正しい「使い方」はどうか

≪概要≫

企業経営や経営コンサルティングファームのせいで、ビジネスは論理的なものであり、すべて数字によって管理できると思い込んでいる。ところがビジネスは理屈どおりにはいかない。役に立たない経営理論やモデル等は捨て置いて、みんなで腹を割って話し合うことに尽きる。企業のリーダーは「どうしたらわが社はビジネスを通じて人々の暮らしをもっとよくするために貢献できるか」という重要な課題に取り組もうとせず、競争優位の確保や株主価値の最大化、利益の最大化、人材活用の効率化ばかりの問題に捕らわれているのか。

1. コンサルタントの使い方

実際「コンサルタントなど雇わなければよかった」と後悔したのと同じくらい、「コンサルタントを雇えばよかった」と思ったことがある。会社にとって外部の人の意見を訊くことで新たな視点を得たい、ということもあるだろう。その時にクライアントが最もやってはいけないことは、コンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えさせることだ。コンサルタントは分析や提言を行い、さまざまな分野の知識を提供し、状況に対する新しい見方を示すことはできるが、企業の成功や失敗のカギを握るのは経営陣であるべきで、外部のアドバイザーに任せるべきではない。コンサルティング成功はクライアントとコンサルタントの良好なパートナーシップの賜物である。

2. コンサルタントの見分け方

1)コンサルタントが役に立つパターン

第三者による新しい見方や専門的な知見、活性化であったり、プロジェクトの要員不足やプロジェクトリーダー不足だったりする場合は非常に役にたつ。しかし、上述した通り自分の代わりに難しい意思決定をしてもうため、自分の考えを支持してもらうため、魔法のような解決策や組織の機能不全を立て直してもらうため、のような案件においてはコンサルタントは役に立たない。

2)危険なコンサルタントの見分け方

事前分析もせず万能型の方法論やソリューションを提案する、難しい用語を使う、すぐに大きな効果を約束する、経験が浅い、どんなことにも答えられるようなコンサルタントは危険だ。実務上かならず事前の分析を行い、様々な起きうる想定をした上で確実な線で効果を説明し、分からないことは正直に言うようなコンサルタントは比較的安心できる。

3. 確実に間違っている理論

1)戦略計画は何の役にも立たない

戦略計画は解決策ではない。計画自体には何の価値もない。計画を立てる過程にこそ価値があるのだ。業界動向や経済シナリオ、競合分析、市場調査等、しっかりと把握することにより、洞察と知恵を持って意思決定をすることができる。この過程によって企業はさまざまな状況変化に応じて柔軟に対応することができるし、大きなチャンスに気付くようになる。このフェーズをコンサルの報告書で済ましてしまうとおかしなことになる。

2)最適化プロセスは机上の空論

ビジネスの問題の多くは、人間のミスや不信によって起きるかビジネスモデル自体が破綻しかけている場合である。部門同士が連携をとらずバラバラに仕事をしていると、お互いに相手の部門がやっていることがめちゃくちゃに思えたりする。そういうすれ違いのせいで、駆け引きやコントロールや腹の探り合いが始まり、業務の見直しや承認の段階で支障をきたすことになり、何の価値も生まれない。

方法論は人々が連携して働くようにするための道具に過ぎないと思うのだが、いつのまにか人々が連携することいり、方法論の方が重要視されるようになったのだ。

3)数値目標が組織を振り回す

目標達成のための重要な指標であったとしても、その指標の管理下になり部門や当人たちの力の及ばない事柄で仕事が評価されるとフェアじゃない。という思いから企業の戦略目標と整合性の無い個別の評価基準が設定され、優先順位もなく乱立する。それどころか無駄なデータ収集や方向に追われてばかりになる。またこのような測定可能な目標と懲罰をセットにしてしまうと、評価指標そのものが目的になってしまう。

経験上、クライアントの社内関係者全員を集めて優先事項を決定し、妥協点を探ることができたケースがうまくいった。方向性が決まると、人はどうすべきか自分で判断できるものだ。すなわち、オペレーションを行う人間の判断力を著しく向上させる施策の方が有効なのだ。

4)業績管理システムで士気はがた落ち

98%の社員が「自分は真ん中より上」と思っている。しかも80%の人が自分は上位1/4に入っていると思っている。その中で「あなたは平均です」と言われて士気が上がるはずもない。また客観的な評価等はほとんどないため、完璧にフェアな状態はありえない。

5)マネジメントモデルなんていらない

マネジメントに効果的なテクニックは無い。どれだけ時間とお金をかけて研修をしたとしても、どの会社も目標とする優れたマネジメントを達成できていないだろう。お互いに相手のことを気にかけ、よく話し合い、互いに率直だからだ。つまり良い関係を気付くことだけだ。気にかけていることを態度で示し、伝わるように伝え、指導の仕方を柔軟に変え、業務や業務量をチームでマネジメントして先手を打つ、これらをすればよい。

6)人材開発プログラムに絶対に参加するな

人材開発によって起きる弊害がいくつかある。一つ目はランク付けによるレッテル貼りは“ラベリング効果”と呼ばれる認知バイアスを起こす。すなわちそのレッテルに応じて判断や記憶が歪曲されてしまうというものだ。そのレッテルのイメージが張り付いたら、取り除くのはなかなか難しく、そしてこれが上司の偏見や一時の評価で貼られる場合が多い。次に「ピーターの法則」である。優秀な社員は適切なポジションまで昇進させると、実は社員全員が無能な状態になる。ようは優秀な人が優秀でなくなるポジションになるまで昇進するからである。

そもそも業績は個人の能力の有無よいも環境によって左右されるケースが多い。どんな状況でも優れた業績を上げる、という前提が間違っている。

7)リーダーになれるチェックリストなんてない

リーダーシップコンピテンシーがあれば優秀なリーダーになって成功できるわけではない。現実には人は他人の持っている長所や短所に適応するものだ。リーダーは自分の短所を補うため、自分にはないスキルを持った人たちを周りに置く。これによってチーム全体の力を最大限引き出すことができる。その弱点を補ってくれる人が納得してフォロワーとして補完の役割を担ってくれるかどうかだ。

≪こんな人におすすめ≫

・経営者

≪併せて読みたい書籍≫



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