流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論

最終更新: 9月1日





















≪著者≫

遠山 亮子

平田 透

野中 郁次郎

≪問い≫

いかに組織的に知識を想像し、活用していくか

≪概要≫

知識とは個人の信念が真実へと正当化されるダイナミックな社会的プロセスのことである。信念が知識となるには真実として正当化される必要があるが、その判断は「真・善・美」の価値観による。知識ベースの経営論は、企業が置かれた個別具体の状況の中での実践から出発し、そうした実践の中から知識を創造するプロセスと、知識を創造する能力が形成されるプロセスを説明するもの。

知識の特質は急速に陳腐化するリスクである。このリスクに対して企業が長期的に生存・発展していくには、継続的に知識を創造していく能力が不可欠である。

1. SECIモデル

暗黙知と形式知の継続的な相互変換によって知識が創造され、変化し続けるプロセスを「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」という4つのモードに分類して体系化したモデルがSECIモデルである。個人の暗黙知を表出化し形式知に変換、他者と共有することで他者の視点による新たな意味づけ、統合が行われる。これが新たな知となり、再度暗黙知へ変換されより多くの個人にとって価値を持つ新たな主観的知識となるプロセスである。

このスパイラルを上手く回し、企業の総合力に結びつけるには「知を作り出す人間をいかに動かすか」「人と人、もしくは人と環境との適切な関係性をいかに作り出すか」が重要だ。

形式知とは複数人に共有可能な状態の知のことであり、暗黙知は個人、もしくは特定の組織における「なんとなく」という伝達困難な知のことである。

情報伝達技術の発達により形式知の移転コストが低下、昨今ではこれ単体で競争優位を構築することは困難である。形式知となった時点で遅かれ早かれ競合に模倣される。そこで重要なことは、高質な暗黙知に基づいた新たな形式知の創出である。

2. 知識創造企業の条件

ビジョンという自分の仕事に社会的な意味を見出す内面的で道徳的な動機付けが知識創造に大きく影響する。達成不能なビジョンであっても、思考と行動を望ましい方向に向けるという重要な役割を示す。そしてこれは組織のリーダーが伝道し浸透させなければならない。

また上記ビジョン達成にむけた目標の設定も重要である。ビジョンと整合した設定目標のトレードオフ両立の必要性が知識創造の第一歩でありそれを克服しようとすることで知識が創造される。

これらによりエネルギーを与えられた従業員は対話と実践により主観的な経験が真理に限りなく接近し、そのプロセスで知識を膨らませていく。対話に本質を明らかにし、矛盾を解決していく。実践の中で重要なことは、自己がいかにあるべきかを考えたうえでの行為であり、行動する中で結果の本質的な意味を深く考え、反省し、修正していくプロセスがいる。

上記取り組みを通じて知識を創造していくには場も重要だ。場は独自の意図、目的、方向性、使命を持った自己組織化されたものであり、その目的とは自己超越的であることが望ましい。参加メンバーは強い暗黙知に基づく共通感覚が生成される必要がある。同時に特異な知を持つ参加者の存在も重要である。この異なる知のメンバーにより新たな知を創造するためにはそれを総合する過程が必要であり、職務領域に侵入して知識創造をおこなっていかなくてはならない。非公式的で小規模、かつ弱い紐づけにおける関与が有効である。また従業員一人一人が自分で考え行動するような自律性が求められる。

3. 知識創造企業のリーダーシップ

知識ベース企業におけるリーダーシップは文脈ごとに柔軟にリーダーが変わる自律分散型リーダーシップが基本である。即興的に意思決定を行い、動的な組織間、従業員間の相互作用が必要でる。「ミドルアップダウン」の組織において、ミドルがトップに向かって目標を確認し、ビジョンや目標を組織にブレイクダウンして具体的な言語、行動指針を共有、対話と実践によって知の質を高めていく。究極的にはリーダーの「真・善・美」と個々の構成員の志の高さに依存する。

リーダーの役割は場の目的を見出しコミットを手助け、場を作り積極的に活用することで個々人の想いと知識ビジョンを整合させる。

≪こんな人におすすめ≫

・経営者。

≪併せて読みたい書籍≫

・学習優位の経営


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