池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾





















≪著者≫

池上彰

≪問い≫

中国とはどういう国か

≪概要≫

中国はどこに向かおうとしているのか。隣の国だから無関心ではいられないのです。

1. 3つに分かれた中国

中国だけど中国じゃない。中国と台湾、香港、マカオの関係は、どうしてそうなったのでしょうか。そこには現在の中国及びアジアを読み解くうえで重要な歴史があります。

1)台湾

日清戦争時代に日本の植民地となった台湾は、近代化が進み、文化も発展していきました。その後日本は戦争に敗れ、植民地を全て返還、台湾も中国へと返還されたのです。腐敗しきった中国国民党軍は台湾人にとって同じ中国人として嫌悪の対象となり、「二・二八事件」でさらにそれが加速、結果としてこの発展の恩恵を受けた日本の統治は良かった、という郷愁に繋がっていきます。

2)香港

香港はアヘン戦争で清に勝利したイギリスが植民地にしました。その後中国へと返還することになりましたが、この時中国が敷いたのが“一国二制度”です。イギリスから返還された香港は、資本主義経済のもと、言論の自由もありビジネス、観光、マカオはカジノで海外から多くの資金が流入していました。しかし言論の自由がなくなることで、香港から人が逃げ出すことを恐れた中国は、50年間資本主義経済を継続しても良い、言論の自由もあるという「一国二制度」を前提に返還を実現させました。

2. 中国でアラブの春は起きるのか

「ジャスミン革命」の成功を口火に北アフリカのアラブ諸国では独裁政権から民主化運動である「アラブの春」が起きました。このニュースは中国の若者にも広がり、このような反対運動をやろうと考えました。アラブも中国も同じ独裁国家なのに、何故アラブでは運動が広がり、中国では失敗したのでしょうか。

それは自由な報道をする放送局の有無です。反対集会を開く時、ツイッターやフェイスブックで情報を拡散します。さらにアラブ地域にはアルジャジーラという自由な報道をするニュース専門の国営放送ではない衛星放送があります。SNSで呼びかけた集会をテレビが取材し報道、一気に集会参加者が増えました。

一方中国は国営放送のみです。アルジャジーラのように自由な報道ができる局がありません。そのためSNSの投稿で集まる小規模な集会が局所的に行われるにとどまったのです。

3. 中国の外交政策

紆余曲折を経て、中国は現在経済的な大発展を遂げ、世界有数の大国になりました。その中で「明時代の栄光よ、再び」という想いが募ってきたのです。習近平は「我々漢民族は、かつて世界に大きな力を誇っていた。それを復活させることが、権力者としての自分の使命だ」と考えているのです。この大構想が「一帯一路」です。陸のシルクロードと海のシルクロードを現代において改めて作ろうというのですから、スケールが違います。

中国が南シナ海を埋めたて軍事基地を作り南シナ海を領海だと主張しているのは、台湾を手に入れるためです。中国沿岸ではなく南シナ海を領海にする理由、それは台湾を軍事的に支配する際、グアムからくるアメリカの援軍を阻止するためです。仮に南シナ海に基地があれば、アメリカ軍が台湾に来る前に攻撃できます。

≪こんな人におすすめ≫

・ビジネスパーソン

中国が大きな動きを見せる昨今。改めて中国や香港、台湾の文脈を勉強しなおすことは国際社会の動きを理解する上で有効かもしれません。

≪併せて読みたい書籍≫

・ニュースの“なぜは世界史に学べ 日本人が知らない100の疑問

・ニュースの“なぜは世界史に学べ2 日本人が知らない101の疑問


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