武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?
最終更新: 2020年9月2日
≪タイトル≫
武器としての会計思考力 会社の数字をどのように戦略に活用するか?

≪著者≫
矢部 謙介
≪問い≫
会社の数字をどのように戦略に活用するか
≪概要≫
会社の実態は必ず決算書に現れる。会計思考力とは、会計によって経営の現実を読み解くこと、そして経営の現実を変えることを可能にする力である。
1. 会計の基本をざっくり理解する
1)P/L
P/Lの目的は、1年間の取引を記録し、会社が上げた利益を計算することにあります。売上、費用、利益です。費用や利益にも、その特性に分けて様々な種類があります。特に販管費の内訳にビジネスの特徴が表れると言われています。
2)B/S
B/Sはどのような方法で資金を調達し、その資金をどう投資しているかを表したものです。その会社の戦略や経営方針がよく表れています。こちらもその特性に分けて様々な資金調達の手段や資金用途があります。
3)キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は1年間を通じた現金の収支です。支払いに必要な現金が十分足りているかが重要です。営業活動、投資活動、財務活動に分けてキャッシュフローのパートは分かれています。
2. 会計を使って現状を分析する
分析は、財務指標を使って現状と課題をあぶりだします。この時、財務指標→財務諸表→実際のビジネス、というつながりを意識してください。財務指標は主に、安全性、効率性、収益性、成長性の4つの視点から見ていきます。
ちなみに粉飾決算は主に「循環取引による売上の過大計上」か「期末在庫の過大計上による費用の過少計上」です。回転期間とキャッシュフローを見れば、大体見抜けます。実態のない取引にはキャッシュの裏付けがなく、また金融機関で紹介可能な現預金残高は改ざんしにくいからです。
3. KPIによって戦略を実現する
KPIは目標達成水準を図るための指標で、会社にとっての健康診断の検査数値のようなものです。KPIを設定する場合は、どのような行動が必要かも具体的に考えた上で、行動指標にまでブレークダウンする必要があります。指標を分解したり、BSCを部分的に活用したりすることが有効です。
この時、KPIが多すぎたり、複雑すぎたりすると現場で使いにくくなるため注意しましょう。またKPIの解釈の方向性を全社的に統一させておかないと、好ましくない方法でKPIを目指してしまう場合もあります。
≪こんな人におすすめ≫
・会計を初めて学ぶ方
≪併せて読みたい書籍≫
・武器としての会計ファイナンス
・ストーリーでわかる財務3表超入門
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