武器としての会計ファイナンス 「カネの流れ」をどう最適化して戦略を成功させるか?

最終更新: 9月1日























≪著者≫

矢部 謙介

≪問い≫

ファイナンスをどう実務に活かすのか

≪概要≫

少なくとも株式会社においては、株主が求める以上のリターンを上げ、企業価値を高めることが必要とされています。このように考えればあなたの仕事が会計やファイナンスに関係ない、というのは大きな誤解であるとわかります。ファイナンスとビジネスの現実を結びつける考え方を通じて、「ファイナンス思考力」を身に着けていきましょう

1. ファイナンス思考とKPI

ファイナンスの役割は会社のお金を最適にコントロールすることです。通常、企業のお金の流れは以下のようになります。

1.事業に必要な資金を株式もしくは負債で調達する

2.調達した範囲で事業に必要なものを買う

3.事業活動を通じて発生した費用(利息や法人税含む)を払う

4.残ったお金で事業に必要な投資を行う

5.最後に残ったお金を配当と内部留保に分配する

すなわち、外部から調達したお金や事業によって得たお金をどれくらい効率よく事業に活かして高い収益を上げて行くか、というのが企業にとって重要な話になります。この「どれくらい効率的にお金を使っているか」を評価する指標がKPIなのです。これが経営の羅針盤となり、各部門にブレイクダウンされて部門目標やノルマになっているのです。

2. ファイナンス思考と投資判断

上述した通り、企業は銀行と株主から資金を調達します。銀行は利息、株主は配当とキャピタルゲインを投資の見返りとして要求しています。この銀行や株主といった資金を投資してくれる投資家が企業に対して期待する利回り・リターンは、企業にとって資金に対するコスト、すなわち資本コストと捉ええることができます。言いかえると、企業活動の目的は事業活動に対して投資した以上のキャッシュを投資家に還元することです。

ここで重要になるのがお金の時間価値です。仮に銀行が5%の金利を預金に対して確実につけた場合、今日の100円は来年に105円になります。すなわち、来年の105円は今に換算すると100円の価値しかないことになります。これが、お金の価値が時間とともに目減りしていくというロジックです。すなわち将来稼ぐと思われるキャッシュを現在価値に割り引かなければ“今いくらその事業に投資するのが妥当か”の判断ができないということになります。

この現在価値に割り引く際の金利のようなものを“割引率”といい、その事業に対して株主や銀行がその事業のリスクに対してこれくらいの利回りで運用してくれないと魅力がないよね、という資本コストが適用されます。これを被買収企業のキャッシュフローと資本コストで行えば、M&Aの企業価値算定プロセスになります(DCF法)。

3. ファイナンス思考の基本

キャッシュフローには営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローがあります。それぞれ営業活動によるもの、設備などの投資活動によるもの、借入や増資による財務活動によるものです。

企業の基本はキャッシュフローを増加させ、資金繰りを安定させることが大切なスタートです。財務キャッシュフローを増加させるとはすなわち借金をするということですから検討の対象外とすると、大切なことは無駄な投資はやめて、できるだけ利益を大きくしつつ運転資本を適切な回転率でマネジメントすることです。

固定費と変動費の比率は適切か、固定費が過度に膨れていないか、過剰な在庫や売り上げ債権はないか、仕入れ債務を必要以上に早く支払っていないか、こういった日常業務における当たり前のことを当たり前のように考えることが、キャッシュフローの増加、経営の安定化を図るのです。

≪こんな人におすすめ≫

・若手社員

≪併せて読みたい書籍≫

・武器としての会計思考力

・ファイナンシャル・マネジメント


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