志を育てる
最終更新: 2020年9月29日

≪著者≫
グロービス経営大学院
田久保 善彦
≪問い≫
志はどのように醸成されるか
≪概要≫
一定期間、人生をかけてコミットする目標を小志とすると、一生涯を通じて達成しようとするものを大志と呼ぶ。多くのインタビューの結果、目の前にある仕事に一心不乱に取り組み、一定の年齢や状況になった段階で自らの志が見えてきたという趣旨の発言をしている。つまち小志の地道な積み重ねが大志を形成していくのである。
古来、多くの著名人が志について言及しているが、それはこの大志まで登った人ではないか。そのため、志の階段を上り始めた人は「自分には志がない」という思いにとらわれてしまうと本書では考えている。
1. 志醸成のサイクル
志とは紆余曲折ありながら、様々な人生経験を経ながら、志も少しずつ変化しながら『成長』していく。その成長は次のフェーズからなる。
1)あるきっかけで目標を持つ
└自分、もしくは他社によって目標を与えられる
2)達成への取り組み
└人生をかけてコミットする
3)取り組みの終焉
└モチベーションの限界
4)客観視
└取り組みが終わり、ふとしたタイミングで自分自身を見つめなおす
5)自問自答
└客観的に自分の立ち位置を理解し、自分の欲望や特性を棚卸し、自分のやるべきことを模索する
6)新たな目標の設定
2. 志に影響を与える要素
志が次のフェーズに移行するドライバーが存在する。
1)場所の変化
2)情報の入手
3)事件との遭遇
4)人との関わり
5)一定期間の経験
6)哲学や思想・宗教との出合い
7)教育機関の知識・スキル習得
これらの要素は、一時的、もしくは持続的に価値観をはぐくんだり、踏み出すきっかけを作ったり、自信やエネルギーを与えたりする。
3. 志成長の方向
1)自律性
自律とは自分で自分を律することだ。自分自身の進むべき方向を決めるための自分のルール・志がある。自律性が高まると、自分自身の規範や志に人を巻き込み、主体的に動いていくことを求めるようになることが多い。
2)社会性
社会性とは、自分を起点に、自らが責任を持とうとする範囲を広げていこうとするこころの動きである。利己的な自分から利他的な自分への変化である。
多くの人が社会性や自律性を増しながら志を積み重ねることにより、社会がより良い方向に向かっていくのである。
≪こんな人におすすめ≫
・リーダー層
・若手のビジネスパーソン
志について書いた本はたくさんありますが、その獲得プロセスを書いた本は珍しいと思います。また、偉人だけでなく、一般の方の事例も書かれているので、非常に自分事化しやすいと感じました。特に何をしたらよいか分からない方は読んでみてはいかがでしょうか。
≪併せて読みたい書籍≫
・幸之助論
・道をひらく
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