実践 小さな会社が新卒5名を確実に採用する本―無名企業が予算200万円でデキる人材を獲得するにはどうするか

≪著者≫
長尾 一洋
≪問い≫
無名企業が予算200万円でデキる人材を獲得するにはどうするか
≪概要≫
新卒採用を軌道に乗せるには、それなりに時間がかかりますが、今年、来年、再来年と実績を積み重ねることによって相乗効果を生み出し、採れば採る程採用がしやすくなるのです。毎回ゼロから始まる中途採用と異なり、新卒採用は毎年採っているという実績によって採用ルートを積み上げていくことができます。
1. 自社の魅力作り
既存の社員がいきいきと働いて職場に活気があることは、新卒を受け入れるための大前提でもあります。これを忘れて新卒を採用しても、企業の活性化にはつながりません。将来のビジョンや制度がどれだけ明確になっているか、ということが会社の魅力につながります。具体的に4つの点をまずは意識すると良いでしょう。
1)将来ビジョンづくり
└可能性、将来の目指す姿
2)人事制度の見直し
└やればやっただけのことはある
3)教育体制の体系化
└自己成長の確信ができる
4)社内報の活用
└コミュニケーションが活性化
2. 会って採る
大企業であれば綺麗なオフィスに厚生施設、分かりやすい売上や企業規模などを視覚的に印刷媒体で伝えることができます。しかし中小企業の本来の強みである、任せる仕事の範囲の広さ、職場の雰囲気、社長の人柄、将来への夢などは直接会わなければなかなか魅力が伝わりません。
そこで学生と直接会う、特に社長自らが合同説明会などに参加し、直接魅力を伝えることをお勧めします。社長自身の人柄、経営理念を全身全霊で学生に訴えるという一点が魅力をダイレクトに伝えるのです。
3. パブリシティ効果を狙う
中小企業の採用では、学生本人だけでなく両親の不安感を取り除くことが必要です。手っ取り早い解決方法として、新聞や雑誌に取材してもらい記事にしてもらうことです。自社の記事が新聞や雑誌にのれば、それは入社案内パンフレットの何倍もの効果があります。記事を切り抜いてクリッピングし、コピーを学生に配布すれば、「この会社は新聞に取り上げられて、小さいけどなかなかやるな」となるわけです。
新商品開発や展示会、新規事業の参入等その内容をプレスリリースとして資料提供しましょう。取り上げられるかはともかく、費用をかけずにイメージアップできるパブリシティの第一歩になります。
≪こんな人におすすめ≫
・中小企業経営者
採用に関して、非常に細かいことまで書かれています。選考の方法や内定者フォロー、育成に関しても具体的にどうすれば良いか書いてあるので、参考になる部分も多いのではないでしょうか。出版がかなり古いので、スケジュールや学生の性質などは今の時代に読み替えて、活かせる部分を活かしてみてはいかがでしょうか。
≪併せて読みたい書籍≫
・一生働きたい職場の作り方
・採用の教科書
・小さな会社の人事評価制度パーフェクトバイブル