問題解決プロフェッショナル―思考と技術
最終更新: 2020年9月1日

≪著者≫
齋藤 嘉則
≪問い≫
どのように問題を解決するのか
≪概要≫
従来のセオリーや枠組み、経験値が通用しにくい時代になってきた。今最も求められているのは、新しい「枠組み」に関する知識ではなく、自分の力で自分の実力に見合った独自の「枠組み」を作り出す、問題解決のスキルである。誰もが普段無意識に行っている問題解決のプロセスを、ビジネスの現場で使えるように体系化したものだ。
1. 前提となる思考
問題解決をするにあたって基本的な考え方が2つあります。
1)ゼロベース思考
自社の既存の制約などに捉われない発想や行動が必要です。いつまでも既成のタガが外れなければ、変化の激しい現代において死活問題に繋がる可能性がある。顧客価値は何なのかを常に考え、何かしらの具体的な解決策があるという前提で物事を考えるのがコツです。
2)仮説思考
ベストを求めて情報収集に時間をかけるより、ベターな具体的行動に繋がる結論を出し、早々と行動に移すことが必要です。理由付けは、その行動を説明できればそれでよいのです。
このゼロベース思考と仮説思考を前提に、問題解決へと取り組んでいくことを意識しましょう。
2. 原因究明
思考の枠組みも主に2つあります。これは、問題の解決策を考えるうえで、思考の深さと広がりを論理的におさえ、解決すべき課題の原因を特定するための技術です。
1)MECE(ミーシー)
MECEとはMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で、日本語に直訳すると相互に排他的な項目による完全な全体集合、簡単に言うと抜け漏れダブりがない情報の集まり、ということです。要するに、解決策を考える際に、「考え忘れ」や「無駄な考え」を無くしましょうという活動です。
具体的にMECEの状態を作るために活用されるのが、3Cや4Pといったフレームワークです。フレームワークは問題解決の際の思考の抜け漏れダブりを無くすことで威力を発揮するのです。(そのほかにも変数分解やプロセス分解、要素分解等のテクニックもありますが本書では触れず)
2)ロジックツリー
ロジックツリーとは上述したMECEの考え方に基づいて、主要課題の原因や解決策をツリー状に論理的に分解・整理する方法です。例えば「どうしたら痩せることができるのか」という問題を解決するとして、「カロリー摂取量を減らす」と「カロリー消費量を増やす」と「体内不要蓄積物を除去する」いうMECEな状態を作ります。さらに例えば「カロリー摂取量を減らす」から「口から摂取量を減らす」と「カロリー吸収率の低い体質にする」というMECEな状態を作っていきます。このように、どんどんMECEの要素ごとに「なぜ?」を繰り返し、ツリー上に細分化していく技術がロジックツリーです。
3. 解決策を評価する
原因を捉え、そこからさらに具体的な解決策オプションを出した後、総合的に解決策を提示する必要があります。その際の評価はハード、ソフトの両面から行うことが重要です。
1)ハード面での評価項目
・解決策の期待成果
・投入資源
・リスク
・展開スピード
2)ソフト面での評価項目
・企業スタイル、理念との整合性
・トップのコミットメント
・リーダーシップのある実務レベルの推進者有無
基本的にこのような観点で評価を行い、消極策・積極策の総合的解決策から打ち手を選択していくプロセスを取ります。
≪こんな人におすすめ≫
・ビジネスパーソン
仕事をする時、短い時間で最大の成果を出したい方にお勧めです。手戻りや無駄な労力をかけたくない人は是非読んでみてください。
≪併せて読みたい書籍≫
・イシューからはじめよ
・エッセンシャル思考
・論点思考
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