入門 ビットコインとブロックチェーン
最終更新: 2020年9月1日

≪著者≫
野口 悠紀雄
≪問い≫
ビットコインとブロックチェーンとは何か
≪概要≫
ブロックチェーンという新しい情報技術はインターネットの登場そのものと同じくらいの重要性を持っています。ビットコインなどの仮想通貨は、ブロックチェーン応用の一つの形態です。これによって地球規模でほぼゼロのコストで送金できるようになり、グローバルな経済活動の形態は大きく変わります。
1. ビットコインとは何か
ビットコインとはインターネット上で使用できる通貨です。ビットコインには管理者が存在せず、利用者が直接に情報をブロックチェーンに送信することによって、取引がなされます。ブロックチェーンとは、ビットコインの取引情報を記録する仕組みです。
ビットコインの関係者には次の3グループが存在します。
1)コア開発者:ビットコインのプロトコルを書く人
2)取引所:ビットコインを現実通貨へ換金する人
3)マイナー:ビットコインの取引をブロックチェーンに記録する人
2. ブロックチェーンとは何か
ブロックチェーンは電子的な情報を記録する新しい仕組みです。取引記録をネットワークの参加者全員で、公開された台帳に記入し管理します。
ブロックチェーンのデータは誰でも入れるコンピューターの集合です。ビットコインのブロックには世界中の10分間の取引が記録されるます。ブロックにはこのほかに「前のブロックのハッシュ(一方向関数)」と「ナンス」と呼ばれる数が記録されます。そのため仮にブロックの値を改ざんする場合は、改ざんしたブロックから最新のブロックまで全て改ざんして初めて改ざんできます。しかしこの処理量が膨大過ぎて不可能です。
3. ブロックチェーンの関連形態
シェアリングエコノミーという新しい仕組みが注目を集めています。現在シェアリングエコノミーには仲介者が存在しますが、仮にブロックチェーンを使えば、信頼性を確保しつつ提供者と需要者がサービスを直接にやり取りできるようになります。
またIoT分野でもブロックチェーンは活躍します。現在考えられているIoTシステムは、情報処理を集中的なシステムで行い、ルールに沿って決定し、指令を発します。ここに複数コンピューターが同一の記録を保持するブロックチェーンを活用できれば、どれか一つがダウンしても全体がダウンすることがありません。
≪こんな人におすすめ≫
・ビットコインやブロックチェーンについてなんとなく知りたい方
≪併せて読みたい書籍≫
・フィンテック