中小企業の「人事評価・賃金制度」つくり方・見直し方
最終更新: 2020年9月1日

≪著者≫
大津 章敬
≪問い≫
中小企業で人事制度をどう作るか
≪概要≫
会社の課題があるとき、人事制度の問題であるケースはごくまれで、大体は商品自体・もしくは売り方に問題があるケースが極めて多い。人事制度はあくまで、人材が定着し成長でき、組織文化が醸成されていく手助けをするツールであることに注意することだ。
1. 会社の退職理由(新卒)
1)残業・拘束時間の長さ
2)仕事内容のミスマッチ
3)キャリア成長が望めない
最初の数年は比較的早めに昇格でき、賃金は能力伸張のカーブに合わせて早期立ち上げ型にすると成長実感を得ることがです。
2. 最低限の人事制度
1)社員の貢献度を表す資格等級及びキャリアパスの明示
2)各資格等級で求められる役割、能力、意識などの明確化
3)各資格等級における上下限賃金
4)必要性が検証された各種手当
5)社員の貢献度・会社の業績の両面から検討された賞与
6)必要性と支給基準が検討された退職金
7)社員の成長に繋がる人事評価制度の設計
3. 人事評価の考え方
人事制度は一言で言えば「社員との約束」だ。小規模企業で経営者と社員が密にコミュニケーションを取ることができるのであれば、そういったツールは基本的に必要ない。そのため、100人程度と人数が少なく、各社員の状況を社長が把握できるのであれば、社長自らが人事評価を行い処遇を決め、直接フィードバックしてあげたら良いのである。しかし企業規模が大きくなり、社員との直接的なコミュニケーションを取ることが難しくなってくると、それを補完するために様々なルールやツールが必要となってくるのです。
ちなみに人事制度のポイントが「安心感の醸成」にシフトしてきている。ここでいう安心感とは潰れないことであり、「会社の業績を一定程度開示し、今後の方向性やビジョンについて示す」ことである。
≪こんな人におすすめ≫
・労務管理担当
・中小企業経営者
ある程度人数が増えてくると人事制度が必要になってきます。特に人事評価と報酬の連動等は非常にセンシティブで既存社員さんとの兼ね合いも含めて難しい部分だと思います。
本書では等級に関する具体的な設定方法や、昇格降格に関する取り決めも書かれています。これから作成しようと考えている中小企業経営者の方は読んでみてはいかがでしょうか。
≪併せて読みたい書籍≫
・小さな会社の人事評価制度
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