世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか 経営における「アート」と「サイエンス」





















≪著者≫

山口 周

≪問い≫

なぜ世界のエリートは「美意識」を鍛えるのか

≪概要≫

グローバル企業は極めて功利的な目的のために「美意識」を鍛えている。なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスのかじ取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。

1. 従来との変化

結論から述べると、現在の企業経営に美意識が求められる理由は下記の3つである。

1)論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある

 └正解がコモディティ化し、差別化が困難になる

 └問題の因子が動的に複雑に変化するため、因果関係を単純化しにくい

2)世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある

 └機能的優位や価格競争力が優位性として重要度が下がる

 └自分を表現するブランドやストーリーの方が重要になる

3)システムの変化にルールの制定が追い付かない状況が発生している

 └変化が速いため、後出しで違法とされる可能性がある

 └自分なりの「美意識」に基づいた判断が必要になる

2. 何が求められるか

「アート」と「サイエンス」と「クラフト」が高度のバランスを取っている状態を作る必要があります。「アート」だけ、すなわち非論理の中で直感だけを頼りにするのは単なる「バカ」ですし、「サイエンス」に偏ると差別化しにくくなるだけでなくコンプライアンス違反のリスクが高まります。

「アート」は組織の創造性を後押しし、ステークホルダーをワクワクさせるようなビジョンを生み出します。

「サイエンス」は「アート」が生み出した予想やビジョンに、現実的な裏付けを与えます。

そして「クラフト」はこれまでの経験や知識を基に、「アート」が生み出したビジョンを現実化する実行力を生み出します

組織全体としては、トップに「アート」、両翼を「サイエンス」と「クラフト」で固めて、パワーバランスを均衡させるということです。

3. 美意識を鍛える

「アート」とは、全体を直感的に捉え、内省的に打ち手を創出する構想力や想像力のことです。変化が速く複雑な環境の中で正解のない問題に対して、「自分はこう思う」という意味付けをしていくことが重要です。

その中でいくつか美意識を鍛える方法を紹介します。

1)絵画を見る:観察眼

2)VTSワークショップを実施する:ものの見方

3)哲学に親しむ:支配的思想への疑い

4)文学を読む:共鳴

5)詩を読む:レトリック、メタファー

≪こんな人におすすめ≫

・ビジネスパーソン

複雑なものを複雑なまま見る。そして自分なりの意味付けを行って世の中にその価値を問うような商品、サービスを提供する。なかなか実践させるのは難しいと思いますが、読んで美意識を鍛える訓練をしても良いかもしれません。

≪併せて読みたい書籍≫

・「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

・デザイン思考が世界を変える〔アップデート版〕: イノベーションを導く新しい考え方



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