ブルー・オーシャン戦略
最終更新: 2020年9月2日

≪著者≫
W・チャン・キム
レネ・モボルニュ
≪問い≫
どのようにブルー・オーシャンを生み出すか
≪概要≫
競合他社と似通った価値曲線が暗示するのは、その企業はレッド・オーシャンの血みどろの競争から抜け出せそうもない、ということである。コストか品質で他社の上を行こうとする戦略を取っているのだ。一方、優れた戦略には三つの特徴がある。1)メリハリ、2)高い独自性、3)訴求力のあるキャッチフレーズ、だ。
1. 市場の境界を引き直す
多数の可能性の中から、商業的に魅力あふれるブルー・オーシャンをいかに見出すかが重要である。このような市場の境界を引き直すための、どの業界にも応用できる六つのアプローチが存在する。
1)代替産業に学ぶ→顧客にとって同じ目的・同じ財布の別産業に注目
2)業界内の他の戦略グループから学ぶ→バリュープロポジションに注目
3)別の買い手グループに目を向ける→購買者、利用者、影響者の切り口に注目
4)補完材や補完サービスを見渡す→顧客が利用前・中・後に同時利用するモノ・コトに注目
5)機能志向と感性志向を切りかえる→業界の志向と異なる志向に注目
6)将来を見通す→顧客価値とビジネスモデルの未来に注目
2. 新たな需要を掘り起こす
既存顧客以外に視線を向け、その顧客が共通して重んじる要素をテコとして使うのだ。既存顧客以外の非顧客層には三つのパターンが存在する。これらの非顧客層と既存顧客の共通点を見出し、商品・サービスを訴求いていく。
1)市場の縁にいるが、すぐに逃げ出すかもしれない層→より良い選択肢を与える
2)あえてこの市場の製品やサービスを利用しないと決めた層→低価格化かそもそもの欲求を満たしてあげる
3)市場から距離のある未開拓の層→関係を持ってある
3. 組織面のハードルを越える
変革を進め、成果を出すためには長い時間と多大な経営資源が必要である。既存事業の抵抗力・引力を抑え変革を推進していくためには“ティッピング・ポイント・リーダーシップ”を用いて組織内の常識を逆転していく必要がある。
ティッピング・ポイント・リーダーシップのカギは、拡散ではなく集中である。どの組織にも業績にとりわけ大きく影響を及ぼす人、出来事、行動などが存在するが、この事実は稀にしか活かされていない。ここにむけて資源を集中させ、四つの問いに答えていくのだ。
1)どの要因や行動が重要そうか
2)成功にとって重要な経営資源は何か
3)核となる人材を巻き込むものは何か
4)政治的な駆け引きを無くすにはどうするか
≪こんな人におすすめ≫
・経営者
戦略策定や実行に向けたフレームワーク(戦略キャンバスや価値曲線)、事例が豊富に書かれている。今、レッド・オーシャンの中で苦しんでいる方の一助となれば幸いだ。
≪併せて読みたい書籍≫
・ジョブ理論
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