バリュエーションの教科書




≪著者≫

森生 明

≪問い≫

どのようにバリュエーションを決定するか

≪概要≫

価値を生み出す活動と金儲けする人がずれていて、格差が拡大しているのが社会の実情ではないか。そういう世の中は各個人が、投資家が、経営者が、価値に見合った値段をつけそこなう結果、生み出しているという自覚を持たない限り、いつまでたっても良くならない。

1. 企業価値の本質は「のれん」の創造

企業価値の本質は「のれん(PBR=時価総額/簿価株主資本)」の創造にある。逆に調達した資本以上のリターンを生み出せない(PBR<1)企業は社会に存在している意義がない。

このリターンを生み出す力を超過収益力といい、独自の超過収益力を生み出し社会に

還元する力が企業価値なのである。超過収益力の源泉はカネを使って取得できる設備などではなく、優秀な人材、ブランド、信用、継承されてきたノウハウなどである。

2. フリーキャッシュフローが企業価値の源泉

企業価値算定の基準はフリーキャッシュフローだ。本業を機能させるための営業や投資活動に対して支払った残りの「使途が自由な」キャッシュフローのことである。これが投資家が受け取るリターンの源泉になるためだ。

企業価値を数字の面でとらえると、「その企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの現在価値」と表現される。今生み出しているフリーキャッシュフローFCF、将来の成長率g、割引率(リスク)r、を用い、このように数式化される。

企業価値PV=FCF/(r-g)

3. リアルオプションという考え方

DCF法で企業価値を算定する欠点は、現時点の状況(FCFや成長やリスク)が継続していくことが前提であることだ。そこで登場したのが金融取引の世界で発展してきた「オプション」の発想だ。これは投資を先送りしたり撤退したりする「戦略の選択肢」に価値を見出し、その発生確率から期待値を算出する方法だ。

将来の不確実性が高い状況で柔軟に変更可能な投資プロジェクトは、そうでないプロジェクトよりオプション価値の分だけ高く評価すべきだ、という発想は、多くの人の賛同を得られるだろう。

≪こんな人におすすめ≫

・現在価値の概念が分かっている人

・中小企業経営者

非常に丁寧に価値の選定に関して記載されていて、ファイナンスを勉強したことがある人にとってはものすごくためになる本だと思います。一方で、「金銭の現在価値」と言われてピンと来ない方は、読んでもわからないのでは?と感じました。

また中小企業経営者の方も、税理士さんと決算書の話をしている中で、のれんの話や事業承継や社員・親族からの株式の買収の話があると思います。そういうとき、話の分かりが良くなると思います。

≪併せて読みたい書籍≫

・ファイナンシャル・マネジメント


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