〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則





















≪著者≫

ケヴィン・ケリー

服部 桂

≪問い≫

どのような未来に向かうのか

≪概要≫

現在の生活の中のどんな目立った変化も、その中心には何らかのテクノロジーが絡んでいる。テクノロジーによって、われわれが作るものはどれも、何かになっていくプロセスの途中にある。このプロセスの方が、そこから生み出されるプロダクトより重要なのだ。プロセスへ向かうこうした変化によって、われわれが作るすべてのものは、絶え間ない変化を運命づけられる。固定した名詞の世界から、流動的な動詞の世界に移動していく。今後30年で、形ある自動車や靴といったものは、手に触れることのできない動詞へと変化していくことになるだろう。

本書で紹介する動詞は、近い将来にわれわれの文化に起こるメタレベルの変化を表している。つまりすでに今の世界を動かす大きなアウトラインになっているのだ。

1. 未来の動詞

1)BECOMING

個人が使うテクノロジーがどんどん複雑になってくると、周辺機器ともお互いに依存するようになり、それは生きた生態系のようになっていく。時間と共に静かに自らを変えていく、未来のテクノロジー生活は終わることのないアップグレードの連続となる。

驚異的な変化が少しずつ積み重なると、ついにそれが巨大なものとなっても、われわれは感覚が麻痺して気が付かない。

2)COGNIFYING

AIが安価で強力でどこにでもあるようになったとき、現在あるプロセスはまるで違うレベルの動きをするようになる。動きのないモノを認知化することで、我々の生活に破壊的変革をもたらすだろう。いま勃興しつつあるこうしたAIは、あらゆるところにいきわたることで、かえって隠れた存在になるだろう。地球上のどこからでもあらゆるデジタル機器のスクリーンを通して、こうした分散した知能に何百万もの方法でアクセスできるようになるので、どこにそれが存在しているのかが分からなくなる。またこの合成された知能は人間の知能との組み合わせなので、それがなんであるかを正確に言い当てることも難しくなる。

3)FLOWING

インターネットは世界最大のコピーマシンだ。音楽でも映画でも本でも、何かコピーできるものがあり、それがネットに触れてコピー可能なものになる。デジタル経済はこうした自由に流れるコピーの川の上を動いている。このコピーの流れは不可逆で、大量のコピーによる実質価値の希薄化は進んでいる中で、本当に価値があるものはコピーできないモノ、という価値に軸の再反転が起きている。お金を稼ぐにはコピーできないモノ、すなわち即時性や個人最適化、解釈、信頼性(ブランド)、アクセス権、実体化、支援者(生身の人)、発見可能性などの価値が高まっている。

4)SCREENING

いまやほとんどがスクリーンの民になった。スクリーンじょうでは言葉が動き、画像と融合し、色を変え、出てくる画像や図表や企業が色々な意味に解釈できる場合もある。スクリーンに表示されるコードはユーザーがいくらでも手を加えることができる。

真実は著者や権威によってもたらされるのではなく、オーディエンス自身が断片を組み合わせてリアルタイムに生成するものになる。スクリーンの民は自分のコンテンツを作り、自分の真実を構築する。流れていくアクセスに比べたら、固定化したコピーは意味をなさない。スクリーン文化はウィキペディアのページのように流動的でオープンなのだ。

5)ACCESSING

利用する者を所有する、ということが年々少なくなっていく。所有することは昔ほど重要ではなくなっている。その一方でアクセスすることは、かつてないほど需要になってきている。高速に進んだテクノロジー、インターネットとウェブとスマートフォンが結びついたおかげだ。この傾向は例えば、非物質化、リアルタイム、分散化、プラットフォームの相乗効果、クラウドのトレンドを生み出した。

6)SHARING

生産手段を持った大衆が共通の目標に向かった動き、プロダクトを共有し、自分の労働を賃金の対価なく提供し、成果物をただで享受している。彼らが共通して使っている動詞が「シェアする」という言葉だ。実際のところ、こうした新しい経済的な側面を、ある未来主義者たちは「シェアリングエコノミー」と呼んでいるが、それはこの世界における基本通貨が「シェア」だからだ。

7)FILTERING

人間の表現行為に対する読者や観客やリスナーや参加者になるという点でいまほど良い時代はなかった。わくわくするほど大量の新しい作品が毎年創造され、無限の選択肢が生まれている。どんな分野でも、数えきれないのどの選択肢が山積みになっている。

広大な万物のライブラリーは、狭く限られたわれわれの消費習慣を遥かに凌駕していく。こうした広野を旅するには道案内が必要だ。それを選べばよいかを誰かが、あるいは何かが耳元で呟いてくれないと決められない。優先順位付けが必要なのだ。途方もなく増える選択肢を選別するため、われわれはあらゆる種類のフィルターを使う。そしてこれからももっと多くのフィルタリングの方法を発明するだろう。

8)REMIXING

本当の持続的な経済成長は新しい資源から生まれるのではなく、すでに存在する資源を再編成することでその価値が上がる、すなわちリミックスから生まれるのだ。イノベーターたちはこれまでのシンプルなメディアと最近のより複雑になった分野を組み合わせて無数の新しいメディアを生み出している。可能な組み合わせの数は幾何級数的に増え、文化と経済を拡大していく。加速するビットの流動性は今後30年でメディアを乗っ取り、さらなる大規模リイクシングを進めるのだ。

9)INTERACTIVE

あらゆるレベルでインタラクティブであることは、テクノロジーの様々な領域に広がっていくだろう。今日考えられる最も寡黙な物体でさえセンサーをつけてインタラクティブにすることで、飛躍的な進歩が可能だ。我々と人工物との間のインタラクションがふえることで、人工物を物体としてめでるようになる。インタラクティブであればあるほど、それは美しく聞こえ、美しく感じられなければならない。

10) TRACKING

自分が何者であるかを解き明かすにはあらゆる助けがいる。現代ではその一つに自己測定がある。しかしこれまでは科学的に自分をトラッキングするには費用がかかり、問題も発生し、限界もあった。

センサーが今後もますます小さくなれば、トラッキング技術が爆発的に進むことはあまりに明らかだった。言葉ではなく数値を使うことで「定量化された自己」を確立できることだ。

11) QUESTIONUNG

われわれはすばらしい回答を与えることがやっと上手くなってきたところだ。IBMのワトソンは、事実に関する質問のほとんどにAIがすぐ正確に答えられることを証明した。こうした答えをより簡単に見つけ出せるようになった理由の一つは、過去に正解した質問が他の質問の見込みを高めているからだ。同時に、過去に正解した答えは次の答えをますます考えやすくし、回答州全体の価値をあげているのだ。検索エンジンに質問をするたび、そして検索エンジンが正しい答えを返してくるたびに、このプロセスの頭脳が洗練され、将来の質問に対する検索エンジンの価値が上がっていく。「答えをちょうだい」という検索は、もう先進国の贅沢品ではなくなる。それは基本的で普遍的なコモディティになるだろう。

12) BEGINNIG

この初期のネットから文明の協働型インターフェースが誕生し、それまでどんな発明をも凌駕する、感覚と認知機能を持つ装置が生まれる。この巨大な発明、この生命体、このマシンとも呼ぶべきものは、これまで他のマシンが作り上げてきたものをすべて包括し、実際にはたった一つの存在となってわれわれの生活の隅々にまで浸透し、われわれのアイデンティティにとってはならないものになる。このとても大きなものは、それまで種に対して新しい考え方と新しい精神をもたらす。それは始まっていくのだ。

≪こんな人におすすめ≫

・若手のビジネスマン

≪併せて読みたい書籍≫


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